英国の大手コーヒーチェーン、プレタ・マンジェがコーヒーサブスクリプションを開始

日本にも展開したことのあるコーヒーチェーンがサブスクを開始
英国を拠点に450店舗、9か国でサービスを展開しているプレタ・マンジェが1日に5杯のコーヒーを飲める、月額制のコーヒーサブスクリプションを開始します。
このサブスクリプションサービスの月額料金£20(日本円で約2700円)は、パンデミックで失われたビジネスチャンスの一部を取り戻すには充分に安い金額だとプレタは考えているそうです。
しかし、コーヒーショプがひしめき合っている中心街は、多くのサラリーマンが引き続き家で仕事をしているために比較的閑散としたままです。
プレタはすでに30店舗を閉店し3分の1の社員を解雇することを発表しています。
プレタのパノ・クリストウはBCCに対してこう語っています。「サラリーマンがオフィスに来ることは以前よりも減っていくに違いない。プレタはもっと顧客の行動の変化に順応する必要があり、それに私たちは焦点を当てている。」
多くのサンドウィッチチェーン店はロンドンの中心街にありますが、クリストウ氏はビジネスの40%がロンドンの郊外や地方にあるとしていて、そこでは顧客が迅速に戻ってきているといいます。
また、彼はコロナウイルスを通して、プレタの配達サービスが10倍まで成長したとも付け加えました。
バラエティー豊富なメニューから1日上限5杯まで

https://www.pret.co.uk/en-GB/your-pret
コーヒーとサンドウィッチのチェーンのプレタは、来週よりYour Pret Barista(ユア・プレタ・バリスタ)を将来を担う新しいデジタル戦略として展開します。
プレタのコーヒーとパッケージのディレクターであるブリトニー・レーベンは、月額制動画配信サービスのNetflixと同じ方法で、プレタの月額サブスクリプションサービスが人々にとってのデフォルトになることを目標にしていると語りました。
サブスクリプションに登録したユーザーはバリスタが作る豆乳ラテからスムージーまで、スマホからアクセスするだけで1日5杯まで毎日利用することができます。
また、友達や同僚などにドリンクをあげることを防ぐために、ドリンクはそれぞれ30分ごとにしか追加注文できない仕様になっています。
サブスクリプションサービスが可能にする新しいビジネス戦略とは

https://www.pret.co.uk/en-GB/your-pret
消費者分析のエキスパートのケイト・ハードキャッスルは月額2700円で1ヶ月無料のトライアルがつくことは、ユーザーにとっても低価格で、コロナでビジネスがひっ迫している小売業者が顧客を取り戻しファンを作る事例になると語りました。
「ロックダウンを通して、靴下からお酒のジンまで多くのサブスクリプションサービスが台頭しており、人々もこのアイディアに夢中になっている。」とのことです。
しかし、コーヒーショップにサブスクリプションを置き換えるのは決して簡単なことではありません。
かつての毎日のコーヒー文化はコロナによって中断させられているからです。
もしかしたら、以前までオフィスに向かう途中で毎日コーヒーを飲んでいた習慣が、週2~3回にまで減少するかもしれません。
「このサブスクリプションサービスのスキームは”ニューノーマル”なっていくだろう。たとえ、1週間に2回しかオフィスに行かないとしても魅力的な料金設定になっている。」とNBKリテールで分析をしているナタリー・バーグは述べました。
プレタはこのサブスクリプションサービスのコーヒーと共にサンドウィッチを買って、それが習慣になっていくことに賭けています。
彼女は加えてこうも語っています。「一度サブスクリプションサービスに登録して価値を得たら、それをもっと使おうとする。もしあなたがプレタのサブスクリプションメンバーだったら、スターバックスへは行かなくなるだろう。」
このスキームは”革命的”だとバーグ氏は付け加えています。また、「企業がこのコロナの状況化でクリエイティブなものが必要とされていることをしっかりと認識している。」とも評価しました。
店舗への誘導に加えて、サブスクリプションサービスをスタートすることで顧客の嗜好や傾向などを把握し、新しいデジタルプラットフォームを通して、他の種類のサービスを提供する道も今後開けてくるでしょう。
プレタはディナーメニュー、配達サービスの拡大などのいくつもの他の革命があったとも語りました。また、アマゾンですでにブレンドコーヒーの販売も始まっています。
レンタマン編集部コメント
2002年に日本にも上陸したことのある大手コーヒーチェーンが、サブスクリプションサービスを業績悪化の打開策として開始するのはとても衝撃的です。
それほどまでにコロナのパンデミックで飲食等の小売業がひっ迫させられていることが伺えます。
それと同時にサブスクリプションサービスにすることで顧客の情報であったり嗜好を今後のサービスやメニュー等に活かせる利点がいかに大きいのかも感じ取れます。
また、月額2700円で1日5杯までといった低価格が魅力的なのは言うまでもありません。
もしかすると、お気に入りのカフェをサブスクリプションすることがコロナ後の”ニューノーマル”になっていくのかもしれません。
出典:https://www.bbc.com/news/business-54012055
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