愛車のサブスクKINTOは高いのか?メリット・デメリットを徹底比較

「クルマは買うもの、そのお考え、お古いかと。」
松田翔太さんと佐藤浩市さんのやり取りが話題になった「KINTO」のCM「華麗なる一族」では、クルマは買うもの、頭金が必要……、そんな昔ながらの義理父に婿の翔太が新時代のクルマの関係を提案しています。
最近では、菅田将暉さん・二階堂ふみさん・矢本悠馬さんの3人による、ぶっちゃけトークの新CMも始まっています。
KINTOは2019年3月に始まった新しいサービスで、まだ利用者の声が少なく、本当の評判がよくわかりません。
そこで、新車購入とKINTOはどちらがいいのか、ライターKがお世話になっているトヨタカローラさんで話を聞いてきました。
車のサブスク「KINTO」とは

https://kinto-jp.com/
KINTOはトヨタの新車に乗れるサブスプリクションサービス。
3年間同じ車を利用するプラン「KINTO ONE」と、6か月ごとに新しいレクサスを乗り継ぐプラン「KINTO FLEX(もとSELRCT)」があります。
KINTOプランの違い
- 「KINTO ONE」は、トヨタ自動車の好きな車を1台選び、定額制で3年間楽しむプラン。
- 「KINTO FLEX」は、レクサス6種類の中から6か月ごとに好きな車を選ぶプラン。
「KINTO ONE」に含まれているもの

https://kinto-jp.com/
クルマにかかる諸経費が月額料金に含まれているので、臨時出費の月がなく毎月同じ金額で計画的に利用できます。
月額利用料に含まれるもの
車両代金、登録諸費用、自動車税、保険料(自賠責保険料、任意保険料)、メンテナンス費用(点検・故障修理代など)、KINTO所定のオプション(装備品)代金
頭金や連帯保証人も不要。
新車で乗り始めて3年後の車検時に返却し、解約か乗り換えが選べるので、常にライフシーンに合わせた新しいクルマに乗ることができます。
また、高齢者の事故が続き「免許返納」が話題になっていますが、KINTOは免許返納でやめる時には解約金がありません。
- 頭金なし・連帯保証人なしで新車に乗れる
- クルマに必要な経費が全部コミコミ
- お店に行かずにWEBから申込できる
KINTO取り扱い車種一覧

https://response.jp/
6車種で始まったKINTOですが、2020年には対象車種が増え、トヨタの主要車種はほぼ利用できるようになりました。
タイプ | 対象車種(2020年7月現在) |
---|---|
コンパクトカー | パッソ、ルーミー、タンク、ヤリス |
セダン | カローラ、クラウン、レクサス LS |
SUV | RAIZE、ハリアー、ハリアー モデリスタ仕様、ランドクルーザー、ランドクルーザー モデリスタ仕様、レクサス UX |
ミニバン | ヴォクシー、ノア、エスクァイア、アルファード、アルファード モデリスタ仕様、ヴェルファイア、ヴェルファイア モデリスタ仕様 |
ワゴン | カローラツーリング |
グレード、カラー、オプションパッケージも選べます。
KINTOの月額料金はどのくらい?

KINTOの見積もり
気になる毎月の金額ですが、車種・オプションなどにより異なります。
主車種の参考価格
車種 | 価格(月額) |
---|---|
パッソ | 11,120円〜 |
RAIZE | 16,280円〜 |
ハリアー | 26,150円〜 |
クラウン | 56,430円~ |
最低月額料金だけだとKINTOが本当にお得なのかわかりにくいので、今一番人気のあるハリアーの価格で見てみましょう。
ハリアーで毎月支払い額を比較

https://kinto-jp.com/
20歳/保険等級6Sの方が、KINTOでハリアーGグレードを5年利用する場合・・・
- KINTO 57,310円/月
- 現金一括払い 78,279円/月
- 銀行自動車ローン 85,800円/月
現金一括払いや銀行自動車ローンよりも、かなり安くなることが分かりました。
ただし、このケースは免許取得して間もない場合です。
保険の等級や契約年数によって月々の料金が大きく変わってきますので、まずはKINTO公式サイトで、月額料金をチェックしてみましょう。
KINTOの利用実績

https://response.jp/
2019年11月時点でトヨタ自動車から発表された利用実績を見ると、サービスの認知度は18%と低く、利用者数もまだ少ないことがわかります。
初年度全国利用数951件
KINTOの利用実績は、2019年3月の試験走行から11月末までの利用総数が951件とまだ少なめです。
そもそもクルマのサブスク自体が新しいサービスで、2017年にGMが始めてから、フォード、ポルシェ、BMW、メルセデスベンツ、アウディ、ボルボ、ジャガー・ランドローバーなど世界の自動車メーカーが相次いで参入しています。
日本では、中古車のIDOM(旧ガリバー)が中古車を利用できる月額定額制の「NOREL」を始めとし、コスモやオリックスのカーリースなどもありますが、クルマ=保有するという考え方があるためか未だ浸透していません。
40代利用が一番多い
年齢構成の利用ランキング
1位 40代(22%)
2位 18~20代(20%)
3位 50代(19%)
4位 30代(17%)
5位 60代(11%)70代(11%)
利用者の年齢層を見ると30代が少ないのは興味深いところです。
保険料高額な若者の利用が多め
18歳から29歳が、20%と多いことがわかります。
免許を取って初めてクルマに乗る場合、任意保険の等級による割引がなく、特に年齢条件なしの若年層は保険料がかなり割高です。
高齢者は免許返納時違約金なし
70代以上の利用も11%あります。
「衝突被害軽減ブレーキなどの安全装置搭載の車に乗りたいけれど、いつまで車を運転できるかわからないので新しく乗り換えできない。」
高齢者がクルマを買う場合には不安も多いはずですが、KINTOは「免許返納の場合には違約金がかからない」というメリットがあります。
- 利用実績は初年度951件と少ない
- 利用年齢層は20代と40代が多い
- 高齢者免許返納時の解約は違約金無し
KINTOが向いている人

https://response.jp/
KINTOのサービスが向いている人をまとめてみました。
- 保険料が高い若者
- 頭金がない人
- 所有にこだわらない人
- 常に新車に乗りたい人
- チャイルドシート利用の子育家族
- ブレーキ安全装置搭載車に乗りたい高齢者
逆に我が家のようにKINTOが向かない人もいます。
- 自己所有にこだわる
- 車をカスタムしたい
- ペットを乗せたい人
- タバコを吸う人
賃貸VS分譲マンションのイメージに近いかな。
賃貸は毎月家賃を払って数年後に新しいところに引っ越しができるけれど、最終的に自分の手元には残りません。分譲は自分の資産になるけれど、水回りや外壁が壊れたり、老朽化した場合に修繕費、改築費などお金がかかるし、売却しないと新しい家に住めません。
メリット・デメリットを自分に当てはめて考えてみるのが大切ですね。
KINTOのメリット
- 契約後にまた新しい車に乗れる
- 保険料や税金の諸経費込み
- 車検や定期メンテナンスなし
- 頭金不要
- 契約期間で比べると購入よりも金額が安い
- ライフステージに合わせて乗換えできる
KINTOのデメリット
- 自分のものにならない
- 途中解約には違約金がかかる
- 自分の任意保険が引き継げない
- 返却時に原状回復が必要
- 走行距離の制限がある
- ペット乗車・喫煙不可
トヨタ販売店で聞いてわかったこと
ライターK家のクルマ使用状況
- 家族構成
夫と息子2人+愛犬。 - 使用目的
平日はバイク移動のため主に週末使用。
年に数回帰省のためロングドライブ。 - 買替え理由
愛車が10年目。
家族全員乗せることも少なくなったので、コンパクトカーでもいい? - 検討車
夫⇒乗り心地のいい車が好き「RAV4」。
私⇒普段は買い物や駅送迎なのでコンパクトカーがいい「RAIZE」
息子のサッカーチームの送迎で人数がのれる「トヨタエスティマ」に乗っていますが、今は新車買い替えを考えているので、KINTOについて聞いてきました。
KINTO専用自動車保険
任意保険がパッケージに含まれているので、現在の自動車保険の等級は引継ぎできません。所定条件を満たした場合「中断制度」を利用できるケースもあります。
「自動車内の喫煙、ペットの乗車は禁止」と、リース利用規約第13条に書かれています。そのほか、クルマの価値を下げる行為や車両の改造なども禁止されています。
冬タイヤ料金とは
冬タイヤ・ホイール代(4本分)の他、タイヤ交換工賃が年2回と満了後のタイヤ下取り料込。タイヤ保管料は含みません。(参考価格 RAIZEで6600円/月)
走行距離制限
月間走行距離(1500㎞)×利用月数
3年満了時で54000㎞、超過金は1㎞あたり10円。
レンタカーやシェアリングとは違い、自分のクルマと同じ感覚で楽しめます。ナンバーは「わ」や「れ」にはなりません。
キントのはなしを営業所に聞きに行ったら、社員さんの本音を聞くことができました。
- 走行距離制限がある
- 満了時原状回復が必要
- 車内は禁煙・ペット不可
- 「わ」「れ」ナンバーではない
- 寒冷地仕様のクルマも選べ、オプションでスノータイヤも付けられるが金額が高い
KINTOまとめ

https://kinto-jp.com/
KINTOは、車両本体価格の他、税金、保険などの諸経費が全部コミコミなので、保険料が高額な若者にとって利用しやすいサービスなのがわかりました。
若い世代は「自己所有」にこだわらないため、新車を買わずにサブスクをうまく利用して最新の車に乗っているようです。
また、高齢者がブレーキサポートなどの安全装置が付いた新車に乗り換える場合、いつまで乗れるかを考えると不安もありますが、免許返納でやめる場合には違約金が不要というメリットがあることもわかりました。
- 諸経費コミコミの新車のサブスク
- ほとんどのトヨタの車種が選べる
- 若者の乗り出しで比較するとローンの1/2の金額で新車に乗れる
- 高齢者免許返納時には違約金がかからないので、ブレーキサポートの付いた車に乗り換えたいときに利用しやすい
- 喫煙、ペットがいる、改造したい人には向かない
KINTOでは2020年から16車種が追加となり、今人気のSUV車・NEWハリアーなども利用できるようになりました。
また、新しく中古車版のサブスク「KINTO ONE」もスタートし、より手軽に車のサブスクを楽しめるようになっています。これからのサービスにも期待大です。
※記載内容は現在のサービスと異なる場合があります。最新の情報は公式サイトをご確認ください。