WordPress/PHPバージョンの確認方法と対応表|推奨環境や更新手順も解説

WordPressの管理画面上に、「PHPの更新が必要です」と表示され、どのように更新したらよいのかわからなくて悩んでいませんか?

そもそもPHPってなんだ!?

うむ。PHPとはプログラミング言語の一種で、WordPressを構築するのに使われている。
バージョンの古いPHPを利用していると、さまざまなデメリットが生じるため、定期的な更新が必要です。
この記事では、WordPressが推奨しているPHPのバージョンや更新方法についてわかりやすく解説します。
WordPressにおいてPHPのバージョンアップが必要になる3つ理由
WordPress上で「PHPの更新をしてください」と表示された場合、PHPのバージョンアップが推奨されます。
理由は以下の3つです。
最新のWordPressにアップデートできなくなるため
古いPHPを使っていると、最新のWordPressにアップデートができなくなることがあります。
「WordPressの新機能が使えない」「プラグインが使えずセキュリティの強化ができない」などの障害が生じることも。
最新のWordPressバージョンとPHPバージョンの互換性について、対応表をチェックしましょう。
古いPHPがサポート外となりセキュリティリスクが上昇するため
PHPにはリリースから3年間のサポート期間があります。
最初の2年間は「アクティブサポート」と呼ばれ、不具合やセキュリティに関するフルサポートが行われます。
その後の1年間は「セキュリティサポート」で、セキュリティ上の問題に対応するサポートが提供される期間です。
セキュリティサポートが終了すると、古いPHPはプログラムの修正がされないため、セキュリティの欠陥によりハッキングなどのリスクが高まります。
2022年11月28日には、PHPの「7.4」のセキュリティサポートが終了しました。
執筆時現在(2023年2月)、一部のレンタルサーバーでは推奨バージョンとして「7.4」もまだ挙げられています。
PHPの処理速度を上げてサイト表示を高速化できるため
PHPをバージョンアップするとWebサイトのページ表示の速度が上がり、パフォーマンスも改善されます。
PHPのバージョンが上がると、処理速度も上がるためです。
以下、PHP各バージョンの処理速度を計測したベンチマークの結果です。
- WordPress 5.9-RC2 PHP 7.2 のベンチマーク結果:106.56 req/sec
- WordPress 5.9-RC2 PHP 7.3のベンチマーク 結果:108.45 req/sec
- WordPress 5.9-RC2 PHP 7.4 のベンチマーク 結果:110.24 req/sec
- WordPress 5.9-RC2 PHP 8.0の ベンチマーク結果:111.10 req/sec
- WordPress 5.9-RC2 PHP 8.1のベンチマーク結果:163.43 req/sec

バージョンが新しいほど、処理できるリクエストの量が多いな。
以上よりPHP8.1は、PHP7.2と比較すると、1秒あたり50%以上多くのリクエストを処理できることがわかります。
ページ表示の早いWebサイトは、検索エンジンからの評価も高くなるため、可能ならPHPをバージョンアップしましょう。
【対応表】WordPressとPHPの互換性・推奨バージョン
WordPressのバージョンに対応するPHPのバージョンがわかる表を作成しました。
WordPressバージョン | PHPバージョンの動作環境 | PHPバージョンの推奨環境 |
---|---|---|
5.9 – 6.1 | 5.6.2 – 8.1 | 7.4以上 |
5.7 – 5.8 | 5.6.2 – 8.0 | 7.4以上 |
5.6 | 5.6.2 – 8.0 | 7.4以上 |
5.5 | 5.6.2 – 7.4 | 7.4以上 |
5.3 – 5.4 | 5.6.2 – 7.3 | 7.3以上 |
5.2 | 5.6.2 – 7.3 | 7.3以上 |
5.0 – 5.1 | 5.2.4 – 7.3 | 7.3以上 |
WordPress公式HPにて推奨されているPHPのバージョンは「7.4以上」とされています(2023年2月現在)。
しかしながら、「7.4」はセキュリティサポートが終了(2022年11月)していますので、実際は「8.0」以上がおすすめです。
WordPress を実行するには、以下のホスティング環境を推奨します。
- PHP バージョン 7.4 以上。
〜(中略)〜
注意: 古いバージョンの PHP や MySQL しか使えない古い環境にいる場合でもWordPress は PHP 5.6.20以上及び MySQL 5.0以上で動きます。しかしこれらの古いバージョンは既に公式でサポートが終了しており、サイトを脆弱性にさらす危険性があります。
PHP公式HPでも、各バージョンのサポート期間について記載されています。

WordPressのバージョン確認方法
WordPressのバージョンを確認する方法は2つあります。
WordPress画面右下をみる
ひとつ目は、WordPress画面の「最下部右下」に常に表示されている数字を見る方法です。

WordPressのサイトヘルスから確認する
2つ目は、WordPressの「サイトヘルス」から確認する方法です。
WordPressのダッシュボードの左メニューから「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」の順にクリックしましょう。

WordPressのタブを開くとWordPressの「バージョン」が確認できます。

WordPressサイトのPHPのバージョン確認方法
WordPressサイトのPHPバージョンの確認方法は以下の2とおりです。
- WordPressのダッシュボードから確認する方法
- レンタルサーバーの管理画面から確認する方法
WordPressのダッシュボードから確認する
WordPressのダッシュボードから確認するには、ダッシュボードの「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」の順にクリックしてください。

「サーバー」タブを開き、「PHPバージョン」を確認します。

レンタルサーバーの管理画面から確認する
本記事では、エックスサーバーの管理画面から確認する方法を紹介します。
「サーバーパネル」を開き、「PHP Ver.切替」をクリック。


ドメイン選択画面にて「ドメイン名」を選択してください。
「現在のバージョン」に「PHP7.4.33」と記載があるのを確認できました。
PHPバージョンアップの手順
エックスサーバーにてPHPをバージョンアップする手順を説明します。




これでPHPのバージョンアップは完了です。
PHPをバージョンアップする時に注意すること2つ
PHPをバージョンアップするときに注意することは、以下の2つです。
- 最新のPHPではWordPressにエラーが発生する恐れがある
- 事前にWordPressのバックアップをとるべき

それぞれ詳しくみていこう!
最新のPHPではWordPressにエラーが発生する恐れがある
PHPをバージョンアップした後、WordPressが表示されないなどのエラーが発生することがあります。
「WordPress本体」「テーマ」「プラグイン」がPHPのバージョンに対応しているかの確認が必要です。
とくに、PHPのメジャーアップデートの場合は、大幅な機能のアップデートや仕様変更により多大な影響を及ぼす場合もあります。新しいPHPがリリースされたからといって、検証を行わずにアップデートするのは危険です。

PHPのメジャーアップデートとは何か教えてくれ!

うむ。メジャーアップデートとは、新機能の追加や仕様の変更など大幅なアップデートのことだ。
例に挙げると、「PHP7.4」から「PHP8.0」への変更がある。
これに対し、マイナーアップデートは、機能の改善やバグの修正など小規模な改訂を指す。
たとえば「7.4」から「7.5」への変更だ。
事前にWordPressのバックアップをとるべき
PHPのバージョンアップにはエラーが発生する可能性があります。万が一に備え、事前にWordPressサイトのバックアップをとりましょう。
WordPressサイトのバックアップの取得方法を2つ紹介します。
サーバーからバックアップする方法
レンタルサーバーを借りていれば、コントロールパネル上からバックアップできることがあります。
また。エックスサーバーや、ConoHa WINGでは自動バックアップ機能があるため、バックアップを忘れてしまった場合も安心です。
WordPressのプラグインを使用する方法
簡単にWordPressのバックアップがとれるプラグインを使うのもおすすめです。
「BackWPup」や「UpdraftPlus」などがよく使われています。


WordPressのPHPは常に最適なバージョンにしよう
PHPのバージョンアップの必要性や安全に行う手順についてお伝えしました。
通常WordPressがアップデートされると、対応するPHPもバージョンアップすることが推奨されます。
Webサイトのセキュリティやパフォーマンスのために、PHPを最適なバージョンに保ちましょう。

WordPress/PHPバージョンの最新の対応表を要チェックだ!
※記載内容は現在のサービスと異なる場合があります。最新の情報は公式サイトをご確認ください。